ボイラー技士はボイラーに関する作業を行う際に取得しておく必要がある資格です。ボイラー技士は技能職ですので技術が高ければ転職はそれほど難しくありません。資格取得の難易度もそれほど高くないので、技能を身に着ける第一歩としてお勧めの資格です。今回はこのボイラー技士について解説します。
ボイラー技士とは
ボイラー技士とはボイラーの取扱作業ができる免許で国家資格です。ボイラー技士には二級、一級、特級の三種類あり、二級は伝熱面積が25平方メートル未満、一級は500平方メートルのボイラーの取扱作業主任者となることが可能です。特級ボイラー技士には伝熱面積の制限はなく、全てのボイラーの取り扱いが可能です。
国家資格で独占業務がありますので、ボイラー技士の需要は高く人気の資格となっています。
ボイラー技士の資格取得難易度
ボイラー技士の資格取得の難易度ですが、二級は国家資格の平均よりもやや簡単な部類に入ると思われます。二級ボイラー技士には受験資格がなく、誰でも受験できるためです。ただし、合格してもボイラー実技講習の修了など、条件を満たさなければ資格は取得できないことには注意が必要です。
一級や特級ボイラー技士は受験の際には業務経験などが必要であり、誰でも受けられるわけではありません。試験も二級よりも難しくなっており、一級で国家資格試験の平均程度、特級で平均よりもやや難解と思われます。
試験は二級から特級まで、ボイラーの構造に関する知識、ボイラーの取扱いに関する知識、燃料及び燃焼に関する知識、関係法令の四科目あり、60%以上の得点で合格となります。合格率は二級と一級で約50%、特級で30%となっています。
ボイラー技士の市場動向と求人情報
ボイラー技士の市場動向ですが、市場に出ているボイラーのタイプに影響される場合があります。つまり、現在は貫流ボイラーなど二級ボイラー技士の資格が無くても取り扱いが可能な小型ボイラーが増えてきており、その分二級ボイラー技士の需要は少なくなっています。
一方で、一級や特級ボイラー技士が扱える工業用の大型ボイラーの需要はあり続けますので、こちらは一定数の求人が期待できます。ボイラー技士の求人はビルメンテナンス業や各種工場などに多く見られます。
また、脱炭素に伴いボイラーも化石燃料の使用が減り、その分水素を使用したボイラーへと転換していくと考えられます。このため、ボイラーの構造などが多少変化する可能性があり、ボイラー技士の仕事も脱炭素に応じた変化があると推測されます。
ボイラー技士の年収と給与相場
ボイラー技士の給与相場ですが、年収380万円程度です。独占業務がある仕事の割には安くなっていますが、これは資格取得難易度が低いため、競争が激しいことが一因であると考えられます。
ボイラー技士として年収を上げるには、チームリーダーや管理職などより上の職位を目指すことや、出来るだけ大規模な会社や給料の良い会社に転職することが挙げられます。
ボイラー技士と転職:成功事例の紹介
ボイラー技士の転職の際には資格のランクにより異なることが多いです。特級ボイラー技士の場合はこれまでの経験と技術力が非常に重要で、求人企業の業務内容とこれまでの経験が合致していれば転職は比較的容易な印象を持っています。
一方で、二級ボイラー技士を持っている方の中には第二種電気工事士などその他の国家資格を持っている人も多く、ビルメンテナンス業界で転職を行っています。実際、このような方の中では相場以上の年収で転職を成功させている方も多くおられ、様々な資格を持つことで幅広い業務をこなせることがセールスポイントになっています。
ボイラー技士のキャリアアップの秘訣
ボイラー技士としてキャリアアップしていくためのオーソドックスなキャリアパスは、二級ボイラー技士、一級ボイラー技士、特級ボイラー技士とランクアップしていくことです。このキャリアパスでは技術と専門性が高まり、ボイラー技士として高収入を目指せます。
もう一つのキャリアパスは、二級ボイラー技士を取得し、第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、危険物取扱者乙種4類のいわゆるビルメン4点セットと呼ばれるビルメンテナンスの際に必須の資格を取得してビルメンテナンス業界へ転職することです。これらの資格を取得することで、ビルメンテナンス業務の大半をこなせるようになり、年収の大幅増が期待できます。
まとめ
ボイラー技士はランクによって難易度は異なりますが、二級ボイラー技士は比較的取得が容易な資格だと言えます。しかし、二級ボイラー技士単独では心もとなく、キャリア
形成のためには一級、特級とランクアップしていくことが大切です。また、独立開業も視野に入れて二級ボイラー技士の他にも第二種電気工事士などのビルメンテナンス系の資格取得もキャリアパスとして検討の価値があると言えます。