電気主任技術者(1・2・3種)の転職ガイド:市場動向、キャリアパス、年収、求人情報を徹底解説

エネルギー・蓄電分野において注目されている国家資格に電気主任技術者があります。電気主任技術者の資格は必置資格と言い、事業用電気工作物を設置する場合には工事、運用、保安の監督者として電気主任技術者を選任することが電気事業法により定められています。このため、電気主任技術者の資格を持っていると年収が上がったり、転職に有利になったりしますので電気技術者としてのキャリアパスに繋がります。

電気主任技術者(1・2・3種)とは

電気主任技術者(1・2・3種)とは、事業用電気工作物、つまり発電所や変電所などを作り、保守、運用する際の責任者となることができます。この責任者には電気主任技術者の資格を取得した人を選任することが法律で義務付けられており、第3種では電気主任技術者5万ボルト未満、第2種は17万ボルト未満、第1種は全ての事業用電気工作物の監督を行えます。

また、グリーンエネルギーとして注目されている太陽光発電所でも50kW以上の出力を持つ発電所では選任が義務付けられていますので、脱炭素分野でも注目されている資格でもあります。

電気主任技術者(1・2・3種)の資格取得難易度

電気主任技術者(1・2・3種)の試験は誰でも受けられますが難易度が高く、最も容易な第3種でさえ合格者は10%前後です。試験も電気全般の知識が求められ、様々な電気回路におけるインピーダンスの計算などは出来て当たり前で、その他にも法律や電気に関する機器類まで理解しておかなければなりません。このため、合格するためには入念な試験対策を行わなければなりません。

第2種の試験は微分や積分を駆使して高度な電磁気学に関する問題を解かなければならないため、知識だけでは太刀打ちできず数学が得意であることが必須となります。第1種はさらに難しく年間の合格者数が100人前後と非常に狭き門になっています。

キャリアパスにおいて第1種が必要かと言うとそうでもなく、第3種を取得すれば国内の9割程度の事業用電気工作物の責任者になれますので、第3種のみの取得を目標にしている方は多いです。

電気主任技術者(1・2・3種)の市場動向と求人情報

第3種電気主任技術者試験の受験者数は4万人前後で近年では受験者数は徐々に減少しています。また、近年は生産年齢人口も減少しており、両者の減少率を比較した場合、受験者数の減少率の方が生産年齢人口よりも大きいため次第に人気が衰えつつある資格と言えます。

とは言え電気主任技術者は必置資格ですので転職の際には有利であり、電気分野の技術者のキャリアとしては取得しておきたい資格には変わりありません。市場動向としても今後も一定の需要が見込まれており、特に太陽光や風力など再生可能エネルギーを使った発電施設が増加しているため、脱炭素に興味のある技術者にとって電気主任技術者は脱炭素分野に関わりやすい資格と言えます。

求人も太陽光発電所の監督者などが多くみられていますので、電気主任技術者資格取得後にはこのような再生可能エネルギーの発電所の保守管理業務への従事も考えられます。

電気主任技術者(1・2・3種)の年収と給与相場

電気主任技術者(1・2・3種)の年収ですが、難しい資格の割には低いと言えます。第3種でも年収は450万円前後です。これは、就職先の多くはビルメンテンス会社など給与相場が低い業界であるためです。仕事内容も保守や運用なので研究開発など利益を生みやすい仕事に比べると年収は低くなる傾向にあると考えられます。一方で、大手電力会社など大企業に就職した場合には年収は高くなります。

電気主任技術者(1・2・3種)と転職:成功事例の紹介

電気主任技術者が転職する場合、年収が高くなる分野へ移ることを検討することが大事だと言えます。せっかく難関資格を取得したのに年収が400万円ほどでしたら納得がいかない方も多いのではないかと思われます。

年収が高い業種には電気・ガス・熱供給・水道業や建設業が挙げられます。また、会社の規模が大きくなるほど年収は上がる傾向がありますので、このような平均年収の高い分野の大企業に転職できれば年収が上がり、転職成功となる場合が多いです。

実際、電気主任技術者の資格を取得できるということはそれだけ優秀であることを証明していますので、転職の際の人事の評価も高くなっています。電気主任技術者の業務にこだわらず、企業が求めるポジションに応募することで大企業へ転職し年収1,000万円を超えたという例もあります。

電気主任技術者(1・2・3種)のキャリアアップの秘訣

電気主任技術者(1・2・3種)がキャリアアップする際には、第3種、第2種、第1種を順番に取得していくことが挙げられます。第1種の合格者数は年間100人ほどですので、第1種に合格すると業界内でも一目置かれる存在となり、転職先にも困らないでしょう。しかし、第1種の年収も低く給与相場は700万円ほどだと言われており、第1種は年収を上げる目的ではなく、仕事にやりがいをもって取得する場合が多いです。

従って、電気主任技術者を取得してキャリアアップをするならば保全業務にこだわらず、資格取得による能力の高さをアピールして平均年収の高い建設業界やエネルギー業界などに転職することがキャリアアップの秘訣と言えます。

まとめ

電気主任技術者は難関資格ですが取得しても年収が低いという点で敬遠されがちです。ただ、取得するにはそれだけ知識が必要ですので、取得者は転職の際に一定の評価を受けることができます。転職を成功させるためには業務内容に固執せずに、柔軟に対応することが大切です。

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