電気に関する工事の国家資格に電気工事士(第一種、第二種)があります。近年はAIの進歩により無くなると予想されている職種は多いですが、この電気工事士の仕事は手作業であるため置き換えは難しく、長期間にわたり必要とされる職種です。今回は、将来性もある電気工事士について転職に関する市場動向やキャリアパスや年収、試験など気になるポイントについても解説いたします。
電気工事士(第一種、第二種)とは
電気工事士とは電気工事士法に定められている国家資格です。電気工事士には第二種と第一種があり、第二種は600V以下の低圧で受電する電気工作物の工事に従事できます。第一種は第二種の範囲に加え、500kW未満の電気工作物の工事に従事できます。これらの電気工作物の工事には電気工事士(第一種、第二種)の資格を持つ人しか行えないために、この仕事は電気工事士の独占業務となっています。
電気工事士(第一種、第二種)の資格取得難易度
電気工事士(第一種、第二種)試験は業務経験や学歴に関わらず誰でも受験できます。第二種は試験に合格すれば誰でも免状を取得できますが、第一種は試験に合格しても免状を取得するためには3年間の実務経験が必要になります。
電気工事士試験の合格率は第二種で筆記60%程度、技能70%程度。第一種で筆記50%程度、技能60%程度となっています。学歴や職歴を問わずに受験でき、合格率が高いので比較的難易度の低い資格と言えます。
電気工事士(第一種、第二種)の市場動向と求人情報
電気工事士は電気工事士の資格を持っていないと従事できない独占業務がありますので、求人は比較的多いです。転職の際にも電気工事士の資格を持っていると有利ですので、より年収の良い企業があればそちらに転職すると言う話もよく耳にします。
電気工事士の市場動向ですが、求人は多くある人気の職種です。また、資格取得者数は増加傾向にありますので、このことからも電気工事士の需要の高さが裏付けられています。さらに、電気工事はAIでは代替できないので、今後も需要は高いと考えられます。特に、太陽光発電所など再生可能エネルギーを利用した発電所の工事も行えますので、グリーンエネルギーや脱炭素関係の業務に従事しやすいことも特徴です。
電気工事士(第一種、第二種)の年収と給与相場
電気工事士(第一種、第二種)の給与相場ですが、第二種電気工事士の給与相場は年収400万円から500万円程度で、第一種は500万円から600万円程度となっています。しかし、地方の小さな市町村では大きなビル建設など一現場当たりの報酬が大きな仕事は少なく、一般家庭の配線施工や修理など報酬の低い仕事が多くなりますので都市部に比べて年収は低くなります。
電気工事士(第一種、第二種)と転職:成功事例の紹介
電気工事士は技能職ですので電気工事の見習いからキャリアを開始して第二種を取得し、さらにスキルを磨き第一種を取得すると共に、やがてチームリーダーや管理職へなることが一般的なキャリアパスです。一方で、電気工事士として独立が可能ですので、電気工事士として独立するキャリアパスもあります。
電気工事士としての経験とスキルがありその上、若手から慕われる方は会社にとって魅力的な人材です。このような方は電気工事士のリーダーとしてチームを引っ張っていくチームリーダーとして採用されます。実際に、転職をサポートさせていただいたある電気工事士の方はまさにこのタイプで、現職よりも大きな会社にグループリーダーとして採用され、年収も以前の職よりも100万円ほど増えていました。
電気工事士(第一種、第二種)のキャリアアップの秘訣
会社として稼ぐには大きな仕事を請け負うことが大切です。大きな仕事を請け負える会社はその分稼ぐことができるので、売り上げも多く年収も高額になります。つまり、大規模な建築物の電気工事を請け負えればその分会社の売り上げは高くなっています。電気工事士としてこのような大きな仕事を請け負える会社に転職することがキャリアアップの秘訣です。
まとめ
電気工事士資格を持っていると、将来的にも安定した職が得られると思われます。また、電気工事士は技術職ですので、学歴に関係なく仕事内容で評価されやすく、高年収も狙える職業だと言えます。独立開業ができることも魅力的で、電気工事の仕事に従事しているなら是非とも取得しておきたい資格だと言えます。