現在、省エネ法で規定以上のエネルギーを使用する工場は第一種エネルギー管理指定工場等や第二種エネルギー管理指定工場等に指定されます。これらの指定工場に指定されるとエネルギー管理者やエネルギー管理員を選任する義務が発生します。エネルギー管理士の資格を持っているとエネルギー管理者やエネルギー管理員になれますので、エネルギー管理士は必置資格となっており転職市場でも需要は高いです。今回は、このエネルギー管理士の資格試験や転職、求人、年収など転職市場について解説いたします。
エネルギー管理士とは
エネルギー管理士とは省エネ法により定められている国家資格で、熱や電気のエネルギーの管理や合理化を行う業務に従事します。製造業や鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種において第一種エネルギー管理指定工場等に指定されると、それぞれの工場のエネルギー使用量により、1人から4人のエネルギー管理者を選任しなければなりません。
エネルギー管理士の資格取得難易度
エネルギー管理士試験の合格率は20%から35%と低く、難易度は国家資格の平均よりもやや難しいと言えます。ただし、エネルギー管理士の資格取得には2つのルートがあり、試験の他にも研修を受けることで取得が可能です。
試験を受けて資格を取得する場合は、毎年夏に開催される資格試験を受験します。この試験には受験資格は無く、誰でも受験できます。また、この試験に合格すると資格が得られる訳ではなく、受験前、もしくは受験後に1年以上のエネルギー使用の合理化に関する業務に従事し、初めて免許交付申請が行えます。この申請を行い、免許が交付されると資格取得となります。
一方で、エネルギー管理士の資格はエネルギー管理研修を受けることでも取得できます。ただし、この研修を受けるには、研修申し込み時までに3年以上のエネルギー使用の合理化に関する業務に従事した業務経験が必要です。この研修を受講し、修了試験に合格すると免許交付申請が行えます。
エネルギー管理士の市場動向と求人情報
エネルギー管理士は必置資格ですので規定以上のエネルギーを使用する工場ではエネルギー管理士の資格を持っている人の中からエネルギー管理者やエネルギー管理員を選任しなければならないので需要は高いです。
エネルギー管理士は近年の脱炭素や省エネ化により注目度は高まっており、市場動向として需要は増える傾向にあると感じられます。
エネルギー管理士の年収と給与相場
エネルギー管理士の給与相場は500万円程度だと考えられ、他の工業系や建設系の国家資格の平均年収と比べても高いです。この要因の一つに、エネルギー管理士の職場に大企業が多いことが挙げられます。
一般的に企業の規模が大きくなるにつれて従業員の平均年収は高くなります。このため、エネルギー管理者の選任が必要な大規模な工場の従業員の平均年収がそもそも高いので、エネルギー管理士の平均年収も高くなっていると推測されます。
エネルギー管理士と転職：成功事例の紹介
エネルギー管理士は必置資格で、エネルギー管理者やエネルギー管理員の選任が必要な比較的規模の大きな会社に転職することが多いです。また、エネルギー管理士の資格を持っていると資格手当が付くケースが多いので、年収アップのために取得する方も多いです。
エネルギー管理士として転職に成功されているケースは、現職でキャリアを積み上げより大きな会社の工場へ転職することです。このケースでは年収がアップするケースも多く、ご満足されている方は多いです。
エネルギー管理士のキャリアアップの秘訣
エネルギー管理士のキャリアパスとしてはエネルギー管理のスペシャリストになることとその他の資格を組み合わせてオンリーワンになる2つが考えられます。エネルギー管理のスペシャリストとしては省エネコンサルタントが挙げられます。また、第三種電気主任技術者などその他の国家資格を組み合わせると資格手当だけで月の給料が数万円アップしますし、知識や業務の幅が広がりますので、このような資格の組み合わせがキャリアップの秘訣です。
まとめ
エネルギー管理士はエネルギーの管理や合理化を行うスペシャリストです。必置資格であるため比較的需要も高く、高年収が狙える資格でもあります。転職にも有利ですが、試験の難易度は比較的高いため、資格取得のためにはまとまった勉強量が必要になります。
